昔書いたブレカナシナリオの焼き直し。
「機械仕掛けの王冠」
5人でやるとだれるので3人くらいでもう一回やりたい。
ゲゼルは金の鷲協会の下っ端巡回販売員だった。
娘のチットを連れて色々な国をまわり、色々な器具を販売する。
彼は自分の「言葉」が人の心を動かすことを本能的に知っていた。
たとえ、とるに足らない道具でも彼が説明すれば夢のような物に思えて人々が
こぞって群がることを知っていた。
しかし、彼はうつろいやすい「言葉」などという物よりも人が自らの手で作り出した
器具や道具、自動人形などに激しく心を動かされる。
彼は一生懸命努力して、道具を作り出す者になろうとした。
だが、彼の目の前に現れるのは、彼にしか操れない「言葉」を媒体とした生物だけなのだ。
とても売り物にはならない。
たとえ道具と似たような作用をおこすことができても、それは彼にしか操れない幻なのだ。
不安定で不定形。「言葉」なんてとてもつまらなくて一過性の物。
ゲゼルは、伝説の錬金術師であるダッハに憧れる。
そう、彼は「自分の死後も人々に馴染み使われ、延々と語り継がれるような道具」を造りたいと
心から思っているのである。
(「ゲゼルの自動人形」や「ゲゼルの杖」と、自分の名前が付いていたら最高だ)
たとえ自分の魂を犠牲にしたとしても。娘は自分のことを「ハイデルランド一の錬金術師」だと思っている。
どんなつまらない道具でもゲゼルが使うとすごい物に見えるから。
娘の純粋なまなざしが、いつしかゲゼルの重荷になってきた。
「いつかお父さんも、すごい物が作れるよ!」
そんな言葉も辛い。
そんな彼に、年齢性別不詳の人物が話しかけた。
「その『辛い』とやらの感情を売ってくれないか?変わりに精密な武器の造り方を教えよう」
「喜んで!」
ゲゼルは感情を差し出した。
ゲゼルの売り物にやっと自分で造ったものが混ざる。
しかし、それもつかの間。
人々はやっぱりゲゼルの名前を覚えてくれない。
旅先で現れる謎の人物に感情を捧げながら、ゲゼルは街にたどり着く。
「さぁ、偉大なる錬金術師のゲゼルよ。ここが終着だ。お前はここで王になる。
『ゲゼルの塔』を造るのだ。永遠にお前の名前が語り継がれることとなるだろう!」
ゲゼルは最後に残った「喜び」を引き渡し、変わりに魔印を手に入れた。
PC1:◎幼子/チット
チットは錬金術師に憧れる明るい子供だった。
昔、君が立ち寄った街で知り合ったのだ。
チットの父は「金の鷲協会」の下っ端巡回販売員であり、
チット曰く「ハイデルランド一の錬金術師」
(どうみても君の目にはただのペテン師にしか見えなかったが。)
ある日君のもとにチットから一通の手紙が届く。
「父と共に、灰色の街にとらわれているので助けて欲しい」と
PC2:◎仇敵/チェスの達人
君はチェスの名人である。
そして昔、「感情をかけて勝負しないか?」と持ちかけてきたチェスの達人
(性別、年齢不詳)に勝った事がある。
そのとき、達人は一枚のシャッハ盤を取り出して君に言った。
「これは私が作ったものではなく、私との勝負に負けたものから貰った物だが、
なかなか興味深いものだ。これを君にあげよう。いつか、また、大勝負をやりたいね。」
そんなことはすっかり忘れていたある日、君の前ににあのときの人物が現れた。推奨アルカナ:コロナ
推奨因果律:イルルニィのシャッハ盤
PC3:◎秘密/チェスの達人
君はダッハの転生体である。
幾度か転生しているうちに、感情をかけてチェスの勝負を挑む人物の噂を聞いた。
それは昔、自分が創造し遺棄したクレアータの慣れの果てだということを知り、
君は「それ」を自分の手で滅ぼすべく旅を続けている。推奨因果律:慎みの徳を持つ者
ほかの2人はPC1の介添えと摩狩りなので、エンデ分を減らしてもうちょっとガチでくみなおすと面白くなりそうではある。
やる機会があるかどうかは不明。